ベストセラー『京都ぎらい』の真相|洛中洛外の格差といけずの正体

ベストセラー『京都ぎらい』の真相|洛中洛外の格差といけずの正体に関する注目トピックをまとめてご紹介します。関心のある方は必見です。

本作の説得力を支えているのが、著者である井上章一氏の類まれな経歴と視点です。1954年、京都府南桑田郡(現・亀岡市)に生まれ、京都市右京区の嵯峨で育った井上氏は、京都大学工学部建築学科を卒業後、同大学院修士課程を修了。建築史から風俗史、近代の美人論や性文化に至るまで、幅広い領域で独創的な論考を発表してきた著名な学者です。現在は国際日本文化研究センター(日文研)所長を務めています。

アカデミズムの頂点に立ちながらも、井上氏は「洛外の嵯峨野育ち」という出自ゆえに、中心部の人々から「あそこは京都やない、田舎や」と軽んじられてきた経験を骨身に染みて味わってきました。部外者(他府県民)には見えないインサイドの差別構造を、内部の周縁にいる当事者として観察できたからこそ、本書の記述は痛烈かつ抜群のリアリティを帯びています。

高橋 健太

高橋 健太

ライフスタイル編集者

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest